人口減と賃貸住宅の空き家増加

2018年09月25日

人口減の有効策なし
国立人口問題研究所が「日本の将来推計人口」を発表しました。
神奈川県は2020年(東京オリンピック)をピークに減少します。75歳以上の割合は27年後には20%以上となります。地方は75歳以上が25%以上の県が増えていきます。しかし、政府は通貨発行量を増やすとの異次元の金融緩和策はありますが、高齢者・住宅過剰時代を食い止める策はうち出せていません。

首都圏全体で賃貸物件の空室は、8/17現在 534,865物件です。
  以下は、アットホーム社(賃貸物件情報では、その掲載情報量が最も多いサイト)の8/17現在の賃貸アパート、マンション、貸家の空室数です。
東京都:238,464件、横浜市/川崎市:88,249件、
神奈川県の他の地域:44,820件、千葉県:58,610件、埼玉県:69,797件、
栃木県:10,822件、群馬県:11,863件、茨城県:12,240件       
総合計:534,865件
『今』も「生産緑地2022年問題解決」などがあり、新築賃貸物件が建てられています。
弊社からの4年7カ月前の2014年(平成26年)1月元日号の資料で、「アパート・マンションなどの共同住宅や商業ビルを建てたら一安心の時代は終わり、少子高齢化の時代に突入し、空き家が増大する中で、どう不動産賃貸事業を赤字にせずに、安定収入を維持するのかの時代になった」です、と私見を申し上げました。
『今』、賃貸物件は完全に供給過多となり、月額賃料(都心の一部を除く)は、この10年間で30%近く下落しています。逆にその土地の固定資産税評価額も、路線価もずっと上がりっ放しで、相続税で言いますと、その上控除額を下げる、譲渡税の相続税額取得費加算の改悪など、さらにさらに増税になっています。収入は減る、しかし税金はますます上がる、とは全く不合理と思います。かつての「収入を安定させる不動産」は、どう事業経営するのか、を考えざるを得なくなりました。路線価算出の場合、公示地価/基準地価のみならず賃料下落の要素も考慮すべき、と弊社は考えます。
路線価は上がり、増税、しかし、賃料は下落。
路線価が上がって喜ぶのは国税庁だけで、私たちは手放しで喜べないですね。賃貸物件の過剰により月額賃料は下がり続けています(東京の一部都心は上昇)から、路線価が上昇するのは理解できませんね。
しかも3年半前の平成27年1/1以降、つまり現在は相続税を支払うために土地等を売却しても、取得費加算額が納税額の30%~50%くらいしか認められず(以前は100%近く認めていた)、そのため相続税額の約20%増の売買価格となる不動産を売却しないと、間に合わなくなりました。
そうですので、相続後に不動産売却する予定でありますれば、売買価格がピークの『今』売却されることをお勧め申し上げます。
2020年東京オリンピック後に不動産の相場が、10%以上下がると弊社は予測しています。その時に同時に1億円以上の不動産を相続税付期限の10ケ月以内(「四十九日」や「生産緑地解除手続き」を考えますと約5か月以内)に売却することが『今』よりも数段難しくなってしまいます。