等価交換事業と立体買換え特例

◎等価交換事業

等価交換事業とは、地主様の土地の上にデベロッパーが建物を建設し、土地の一部と建物の一部を等価で交換すること(部分譲渡方式といいます)により、地主様は建設資金を負担することなくマンションを取得する有効活用手法をいいます。

地主様が複数いる土地の場合などでは、地主様の土地を一旦全部デベロッパーに譲渡し、建物と土地の共有持分を取得する全部譲渡方式によることもあります。

いずれにせよ、土地の一部(または全部)を譲渡する際に譲渡益が生じれば、譲渡所得税が問題となります。

◎立体買換え(交換)特例

そこで、いわゆる等価交換事業によりマンションを取得する際に、地主様が適用できるものとして「立体買換え(交換)特例」があります。

この特例によれば買換え(交換)に際して生じた譲渡益に対する課税を100%将来に繰り延べることができます。この特例の適用要件は下記の表の通りです。

◎マンションの階数に注意

このうち、取得するマンションの地上階数は3以上という要件ですが、通達で次のように説明されています。

「その建築される中高層の耐火共同住宅に地上階数3以上の部分と地上階数3に満たない部分とがある場合であっても、当該中高層の耐火共同住宅は、それぞれ全体として地上階数3以上の中高層の耐火共同住宅に該当するものとして取り扱う」。つまり一棟の建物のうちに地上3階建て以上の部分があれば、地上2階建ての部分を取得しても適用は受けられるということです。しかし、例えば単独でテラスハウスの1階や2階部分を取得した場合は、立体買換え(交換)特例の要件を満たさないということになります。

◎減価償却費は少なくなる

譲渡益に対する課税を100%繰り延べると、取得したマンション(建物の部分)は、譲渡した土地の取得費を引き継ぐことになります。例えば、土地の取得費がマンションの建築費の50%とすれば、マンション(建物の部分)の取得費も建築費の50%となり、減価償却費も通常のマンションの50%しか計上できないことになります。等価交換により取得したマンションの賃貸では、通常、減価償却費が少ない分および借入金利息も生じないので、毎年の不動産所得が多くなり、所得税や住民税の負担が増加するので注意が必要です。

表 立体買換え(交換)特例について

等価交換事業

※at home TIME June 2022 NO.486 おさえておきたい税務知識より抜粋