登記の仕組み

■相続登記の免税特例(土地登録免許税)

所有者不明土地を生じさせない措置として、民法・不動産登記法の改正により、令和6年4月1日から相続登記が義務化されます。これに先立ち、法務省では相続登記を促すための「登録免許税(土地)の免税特例」を平成30年度から令和3年度(令和4年3月31日)までの期限付きで講じていました。この特例は、令和4年4月1日以降も引き続き延長され、一部の内容は実情に合わせて拡充されました。今号では、相続登記を促進する土地登録免許税の免税特例について解説します。

 

◎数次相続の際の相続登記(原則)

 登記簿上の所有者Aがすでに死亡し、Aの相続人Bが相続登記をしないまま死亡した場合で、Bの相続人Cがその相続登記をしようとする場合には、原則として、
(1)AからBの相続登記

(2)BからCの相続登記、を順次するものとされています。

そしてこの登記には、それぞれに登録免許税が課税されます。

(固定資産評価額×0.4%)

 

◎死亡者名義への免税特例

 

 これに対して免税特例では、相続登記を受ける前に死亡した者への所有権移登記の登録免許税は課さないものとされました。(租税特別措置法第84条2の3第1項)。つまり、死亡した登記簿上のAから、死亡したBへの土地相続登記の登録免許税は免税となります。(図参照)。また、Cもすでに死亡しており、その子Dが相続をする場合には、BからCへの相続登記についても登録免許税が免税されることになります。この特例は令和7年3月31日まで延長されました。

 

◎登記実務の取扱い

 

司法書士実務では、図で示す相場の場合、Bの相続原因日などを申請書に記載してAからCへの所有権移転登記を1件で申請する場合があります。この場合には登録免許税が1回(図のBからCへの登記と同額)となるため、1回分の免税と同様です。しかしこれにはBが単独相続か、遺言や遺産分割協議があるか、他の法律でB名義の登記を要するか等の諸条件との関係によるため、個別詳細は司法書士または法務局へお尋ねいただくことをお勧めします。

 

◎土地価格による免税特例

 

相続登記(所有権移転登記)の登録免許税は、その土地の「固定資産評価額」に0.4%を乗じて算出された額を納付します。令和4年3月31日までは、土地1筆の価格(課税標準額)が10万円以下の場合には免税されていましたが、4月1日以降から100万円以下となりました(租税特別措置法第84条の2の3第2項)。また、この適用範囲が国内の一部「市街化区域以外でかつ法務大臣が指定した土地」に限らていましたが、この条件がなくなり、国内の土地すべてが対象となりました。

 

◎おわりに

 

相続登記が放置されたことで所有者不明土地が生じたことや、これにより相続登記が義務化されたことなどは、まだ一般的にはしられていません。政府では、周知のための動画を政府インターネットテレビで公開しました。スマートフォンからでも、視聴できますのでご参考として下さい。

図 免税特例のイメージ

相続登記